栽培後半(8〜10月)のポイント
夏を過ぎたあたりからヨトウムシ、アワノメイガ、オオタバコガなどの幼虫が増えてきます。
これは、夏の水分不足に起因していることが多く、高温乾燥で土壌内の肥料が濃縮され、秋雨で一気に吸収されることで窒素過剰になることが原因と考えられます。
夏の栽培管理と早期発見が、この被害を最小限に食い止めるための秘訣です。
病害虫
ヨトウムシ、オオタバコガ
小さいうちは、5mm~10mm程度の大きさなのでなかなか見つけにくいですが、2週間もすればかなり大きくなり、食欲が旺盛になるので、初期にたたく必要があります。
場所は枝や穂先にいることが多いので、くまなくチェックします。
茎や枝の表皮が剥かれたような状態になっていたら食害の跡です。
アワノメイガ
アワノメイガはシンクイムシとも呼ばれ、その名の通り茎に穴をあけ、芯を食い破ります。 茎に小さな穴があり、そこから糞のようなものがあれば注意です。
芯が食われると穂先が一気に枯れるので見つけやすいが、被害が他の茎に出ないように早めに防除を行います。
茎枯病
アスパラガスで最も怖い病気が「茎枯病」です。
発見次第その茎を根元から切り取り畑から持ち出します。
切ったまま置きっぱなしにすると、そこから被害が広まっていきます。
斑点病
立茎後は毎週~ 2 週間ごとに定期的防除します。
その際光合成促進、養分転流のため「PS ダッシュME ネオ」、「アーキア酵素むげん」等の葉面散布剤を併用すると効果的です。
また、これらの病害虫は定期的に「三菌無双」を散布することで抑制することが期待できます。
300~ 500 倍希釈で週1 回程度の散布を行います(殺菌剤との混用は避ける)。
養分転流~黄化
寒くなってくるとアスパラガスは地上の養分を約1 か月かけて根に送る「養分転流」を行います。
この養分転流が行われ、貯蔵根と呼ばれる太い根に養分がしっかり貯まると翌年太くて立派なアスパラガスが採れます。
養分転流が終わる頃には「黄化」といってきれいな黄色になって枯れていきます。
手で触って、ポロポロ崩れるようになるころには綺麗なベージュ色になります。
そうなったら地際ですべて刈り取り、マルチを張っている場合は剥がして寒さに当てます。
アスパラガスは温度が下がってくると「休眠状態」となり、萌芽が緩慢になります。
寒さに当てることで、休眠を打破することが出来ます。
マルチを張っている場合は必ずこのタイミングではがします。
マルチが残っていると地温が下がらず、寒い時期に萌芽してしまい、凍霜害をうけやすくなります。
収穫
春を迎え地温が15 度を超えてきたあたりから萌芽が始まります。
品種にもよるが、関東ではおよそ3 月下旬頃から。
萌芽が始まったら適宜潅水を行うことで萌芽を促進させます。